私の悩みは愛犬です
レッド 「誰ですか?」
うつむき加減で
手を挙げたのは、小川エリカちゃん。
レッド 「お〜、来ましたか、小川エリカちゃん
じゃ、あなたのお悩み聞かせて下さい」
途端に照明が消え、スポットライト
が当たる。
小川 「ウチでは犬を飼っています。
それで、ある日『どうぶつ奇想天外』を見て
『犬にマッサージをしてあげると良い』
と言われて、マッサージしてあげました。
噛まれました」
声のトーンが変わらずに、
凄い事を言うエリカちゃん。
笑い声が起こります。
小川 「で、あの私が犬を撫でようとすると、
いっつも噛まれます。あの、愛犬に好かれるには
どうしたら良いでしょうか?
教えて!ゴルゴ先生」
と、お願いするエリカちゃん。
照明が戻る。
レッド 「えーっ、得意分野ですよ。ゴルゴ先生」
ゴルゴ 「俺はねぇ、今までに2度噛まれた事があります、犬に」
レッド 「犬に、ですか?」
ゴルゴ 「犬に。本当に昔の記憶ですが、3歳位だった
と思います。お袋と歩いてたら、白い犬が走ってきて
いきなり、俺のお尻を…」
レッド 「ハハハハハ、何もやってないのに」
ゴルゴ 「未だに、俺のお尻には歯形が
ついてます。歯型も成長してきます。
で、2回目はですね、2年前に女の子の家に
遊びに行ったら、アレ、ダックスフント…
ミニチュアダックスが2匹居まして。
1匹は凄く良い子なんですけど、
もう1匹が言う事聞かないんですよ。
で、お姉ちゃんとイチャイチャしようと
思った時に、その言う事聞かない奴が
飛びついて来て、ここ(肩付近)を噛まれました」
湯原 「それは、最近ですか?」
ゴルゴ 「2年前ね。ここには、痕(あと)があります」
山口 「多分、そのミニチュアダックスは
男の子だったんじゃないんですか?」
ゴルゴ 「メスです」
山口 「あれっ…普通ね〜男の子かと思うんだけど」
ゴルゴ 「これは多分ね、ただ遊んで欲しかっただけ
だと思うんだよね」
レッド 「愛情表現。子犬は結構噛みますよね?」
小川 「私、血出ますよ!」
山口 「本噛みじゃない?それ」
ゴルゴ 「マジだね。食おうとしてるね(笑)」
小川 「じゃ、どうしたら良いんですか?」
レッド 「餌、やってましたか?」
小川 「違うんですよ。餌持ってたら何でも言う事聞く」
レッド 「ちょっと待て。その犬はキミんちのペットか、
それとも、他んちのペットか」
小川 「ウチ。あたしが見つけて買ったんです。
『これ欲しい』って」
ゴルゴ 「小っちゃい子供の頃から飼って…」
小川 「そうそうそう。
で、でも、最初、ペットショップで買う時に
『子犬の時はダンボールに詰めて下さい』
って、言われて、
ダンボールあるじゃないですか?
あれに子犬を入れて、蓋閉めて、ずーっと…」
レッド 「蓋閉めたらあかん!」
小川 「言われたんです」
レッド 「蓋閉めたらあかんねんて!」
小川 「ペットショップの人、言ったから、そうやって」
レッド 「アホか!真っ暗やで」
『可哀想』と言う声が聞かれる。
小川 「1、2ヶ月、ずーっと閉じ込めてたら
震えちゃったらしくって…」
レッド 「そな真っ暗にしてたら、暗なるで」
小川 「でも、明るいですよ、ウチの犬は…ウルサイ」
レッド 「逆に悲鳴と違うんかい!『出してくれい』」
小川 「最初は、そうだったんですけど
今は7,8歳位で結構いい歳だから」
レッド 「でも、それで凄いストレスが溜まってたんじゃ
ないですか?」
小川 「でも、私に噛み付くんですよ。何で?」
ゴルゴ 「マッサージ…」
レッド 「じゃ、この中で…」
ゴルゴ 「おい、ちょっと待て!
お前のコーナーじゃないだろ?
お前、今日、喋りすぎだぞ!
俺に(話を)振った時は俺が喋らなきゃいけないのに
何で、振った後に喋りだすんだよ」
レッド 「ゴルゴ先生、すいません。お願いします」
ゴルゴ 「マッサージをした時に噛まれたんだな?」
小川 「はい。それ以外にも噛まれますけど…」
ゴルゴ 「マッサージと言うのは気持ち良くなくちゃいけない」
小川 「うん」
ゴルゴ 「噛まれたって事は気持ち良くない」
小川 「でも、あたしマッサージ得意なハズです」
ゴルゴ 「それは、自分が思っているだけで、
犬は、きっと気持ち良くないんだよ。
気持ち悪い所いかれたんで、
『カッ』って、いったんかも知れない。
で、今から俺が犬になるから、
マッサージしなさい」

で、やってみる事に。

ゴルゴ 「ガルッ!」
声だけでなく、
4つ足で、犬になりきるゴルゴさん。
湯原 「慣れてますね(ゴルゴさん)」
レッド 「犬に成るのは得意です」
ゴルゴ 「ワン!」
実際は犬の鳴き声そっくり。
小川 「うわぁ!」
本物のような立ち上がり方に
思わず、のけ反る、エリカちゃん。
小川 「伏せ!」「お手!」
など、芸をやらせるが、
恐怖のあまり、『待て!』『待て!』『待て!』
しか言えなくなる。
レッド 「怖がってるのが、あかんのやないか?
犬って、怖がってるの分かるから」
小川 「だって、ウチの犬、こんなんじゃないもん」
レッド 「もっと可愛いのか」
小川 「ここら辺が、こってるらしくて、ウチの犬は」
と、4つんばいになっているゴルゴさんの
肩の辺を指圧するエリカちゃん。
途端に『グワァオ』と言う獣のような声を挙げ、
向き直るゴルゴさん。
『キャアー』と離れるエリカちゃん。
新妻 「怖い」
野仲 「なぁに、『気持ち良くない』って事なのかな」
本物の犬のように、人間の言葉を使わない、ゴルゴさん。
肩の辺りを抑えて、目で訴える。
ゴルゴ 「ガル」
笑いが取れて一安心なのか?再び4つんばいになる、
ゴルゴさん。
エリカちゃんは警戒して、今度は『よしよし』と撫でて、
さっきより力を抑えて指圧し始める。
今度は気持ちよさそうな顔をする、ゴルゴさん。
レッド 「犬にマッサージなんて、初めて聞くぞ」
ゴルゴ 「(エリカちゃんの指圧を受けながら)
これはね、人間にしてみたら弱いけど、
犬にしたら強いかもしれない。
下手ですね、小川は」
小川 「うっそ、上手いって…」
この後、すぐエリカちゃんにマッサージを止めさせる。
レッド 「肩にマッサージって…皆、ペット飼ってる?」
岸本 「ウチでも犬飼ってるんですけど、
肩が凝るらしいですよ。腰とか」
その直後、ゴルゴさんがエリカちゃんに対して
ゴルゴ 「違うな」
と言い、エリカちゃんに
ゴルゴ 「お前、ちょっと犬に成って見ろ!ほら!」
と言い出す。
突然の申し出に戸惑うエリカちゃんでしたが
『ちょっとだけ』と言われ、渋々承諾する。
ゴルゴ 「俺のマッサージは気持ちいいぞ。ほら、伏せ!
と言って、ネクタイを直してから手を高くあげる
ゴルゴさん。
小川 「なあに、ちょっと怖い」
ゴルゴ 「犬は、頭がね…」
と言って、エリカちゃんの頭と首の辺りを抑えて、
指圧するゴルゴさん。これを見た美貴ちゃんは
野仲 「あーっ、気持ち良さそう」
と関心した様子。
ゴルゴ 「あと、首ね」
レッド 「犬も大丈夫なんですか?」
ゴルゴ 「はい。鼻の上の辺りから頭の上の辺りが気持ち良い」
小川 「すごい上手ーい」
レッド 「あと、どこが気持ち良いですか?」
ゴルゴ 「あとはですね、腰の辺り、お尻の辺りから
尻尾に沿っていくと気持ちいいんですよ」
と言って、マッサージを始めるゴルゴさん。
小川 「何これ、なんでこんなに上手いの?」
と、気持ち良さそうなエリカちゃん。
ゴルゴ 「お前、俺、本当にお前のお尻マッサージしてるけど?」
小川 「止めてよ!」
と、席に戻る。
野仲 「何で、何も感じないの?その前に」
川瀬 「何で、気付かないの?」
小川 「でも、上手い、上手い」
ゴルゴ 「強さですよ。お前、指、立て過ぎ。
指のお腹で、ゆっくりやってあげる」
小川 「はい」
ゴルゴ 「ギュッ!ギュッ!じゃなくて、
ゆっくりジュワッ!ジュワッ!ですよ。
マッサージの仕方が悪いとね、
やっぱ気分悪いですわ。
人間にやる場合でも、やられる場合でも」
レッド 「でもねえ、小川は自分を表現するのが
下手クソでしょ?」
小川 「うん…いや、何それ!」
レッド 「いや、あるで何か。絶対に。犬って分かるからな」
新妻 「犬は背後から首元を触られると敏感に反応しますよ」
レッド 「これ、新妻良い意見だ」
新妻 「はい、本当に」
野仲 「後ろからだと」
新妻 「(頷いて)後ろから、首元が、
特に『首根っこ』って、よく言うじゃないですか、
大事な部分なんで、後ろから来ると
グワって来るの、当たり前です」
レッド 「来るよな?」
新妻 「噛まれた事あります」
川瀬 「さっき、エリカちゃんは『伏せ』させて、
後ろからやってましたもんね」
レッド 「そうそうそう、だって死角やもん」
小川 「そっか…」
ゴルゴ 「最初に顔見せた方が良いんだよ」
新妻 「そうそうそうそう」
ゴルゴ 「そいで顔見して、段々撫でながら、後ろの方に行くとか」
小川 「うん」
ゴルゴ 「やっぱね、頭から尻尾の方に向かって、
まずマッサージしていく」
レッド 「そうです。ムツゴロウ方式ですよ」
ゴルゴ 「あとは、もう、下(首元)ね」
小川 「そっか、下から」
レッド 「噛まれてもいいんだよ」
と、とにかく笑顔で接する事をアドバイスする
レッドさん。
小川 「分かった」
と、アドバイスに納得の様子。
ゴルゴ 「なんか、小川の喋り方ですが…」
小川 「何、何!?」
ゴルゴ 「単語、単語の喋り方でしょ?」
小川 「そう、日本語下手なの」
レッド 「喋り方なんて関係あるの?」
ゴルゴ 「関係あるんです。生き方が出るんですよ、
マッサージにも。下手クソだもん」
小川 「(苦笑)うっそ!」
レッド 「逆に犬の方が分かるのよ」
川瀬 「ああーそうか、伝わるんですね〜」
小川 「多分『怖い』と思って、
こうやってる(マッサージしてる)からかな」
ゴルゴ 「言う事、凄く命令形でしょ?犬に対して」
小川 「ウン」
ゴルゴ 「ダメですよ。友達なんですから」
レッド 「どんな感じで接すれば良いんですか?」
ゴルゴ 「それは、まぁ良いんじゃない?」
と、最後は投げやりな態度。

レッド 「今回、悩みを聞くと言うより、悩み事がね、
ちょっと何か難しかった」
ゴルゴ 「自分で考えりゃ、解決できる事ですから」
レッド 「意外と難しかった」
ゴルゴ 「これで、今回で終わりにしましょう!」
野仲 「ええーっ!」
ゴルゴ 「本当に悩んだ事があるんなら、言って来なさい」
レッド 「なるほど」
ゴルゴ 「自分で解決したほうがいい。
自分の意志とかの問題の時とかはね。
やめてください」
湯原 「先生がキレてる〜」
レッド 「さぁ、来週はあるんでしょうか?
以上、『ゴルゴ先生に聞け!』
のコーナーでした」


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