レッド
|
「え〜、この方は誰ですか?」
ほっぺを膨らませながら
手を挙げたのは、湯原麻利絵ちゃん。
|
レッド
|
「お、湯原ですか」
|
湯原
|
「う〜ん」
|
レッド
|
「お悩みの方、どうぞ!」
途端に照明が消え、スポットライト
が当たる。
|
湯原
|
「え〜、私の悩みは、よく皆に、
『小悪魔』って言われる事です。
で、私は自分の事を、天使とまでは言わないですけど
小悪魔だとも思ってないです。
で、『なんで小悪魔と言われなきゃいけないのかな』
と思って、理由を知りたいんです。
でも、皆、理由が…教えてくれないんです。理由を。
なので、今日は『何故、私が小悪魔なのか?』
ゴルゴ先生に聞きたいと思いまして。
『お願い。ゴルゴ先生!教えて下さい!』」
と、祈りのポーズで、お願いする麻利絵ちゃん。
照明が戻る。
|
レッド
|
「これはね、ゴルゴさん、事前に技術さんに
聞いた話によりますと、何とですね、
湯原がメイクを直しているのかと思ったら
『手鏡ごしに、こっちをチラッチラッ見ている』」
|
ゴルゴ
|
「『鏡ごし』にね、ほーっ」
|
レッド
|
「後ですね、記念写真を撮る際にですね、
やたらと『肌を密着させてくる』と」
|
湯原
|
「え〜?あたし〜?うそ〜」
|
レッド
|
「え〜、なんとなくですね、男子からしたら、
『ちょっと、俺の事が好きなんじゃないか』
みたいに思っちゃう」
|
ゴルゴ
|
「勘違いさせてしまうね〜」
|
レッド
|
「【DAISUKI!(※)】で言う、
松本明子、飯島直子みたいなもんですよ。
ギューッと突いてくる…」
※日本テレビで人気があった深夜番組。
|
ゴルゴ
|
「あるいは癖なんだな。癖…」
|
レッド
|
「後ですね、ディレクターの話を
何と百万ドルの笑顔で聞いている時は、大抵
話を切り上げるタイミングを計っている時で…」
と、レッドさんが読み上げている時に
当の麻利絵ちゃんも、他のリポーター達も
思い当たる節があるらしく大笑い。
|
レッド
|
「突如『わかりました。お疲れ様でした〜』と、
話を打ち切る…。そういう残酷な部分が
あるんですねぇ」
|
野仲
|
「それは見た事あるな〜(笑)」
|
ゴルゴ
|
「それはなぁ、あっても良いかも知れない。
けども、相手をその気にさせる、
これは、まさに小悪魔です」
|
レッド
|
「小悪魔でしょう?これでですね、
何と、ロケカメラマンがですね、一人、
湯原にメロメロになっている…」
これを聞いた直後『あ!』の声が。
|
野仲
|
「知ってる、それ、何か」
|
レッド
|
「誰、誰、誰?」
|
野仲
|
「何かね、ロケ先に物が届いてた」
これを聞き、前にガクっとなる麻利絵ちゃん。
|
野仲
|
「何かね、よく分かんないの。
何かね、届いてたんですよ、小包がホテルの…」
|
岸本
|
「ホテルに?」
との質問に、頷く美貴ちゃん。
|
野仲
|
「ホテルの、何て言うの、受付の所で、
『湯原さん、お荷物が届いてます』って」
|
岸本
|
「怖いよ」
|
野仲
|
「呼ばれて一人で待ってたら、
こんな大きな荷物持って…
あれ何だったの?」
と、大体カバンくらいの大きさを
手振りで示しながら話す美貴ちゃん。
|
湯原
|
「あれはですね、『欲しい』と思っていた、
【テンピュール】の枕が、レジャーの時の
ホテルに届いてたんです」
|
レッド
|
「それは誕生日か何かですか?」
|
湯原
|
「はい」
|
レッド
|
「誕生日に」
|
野仲
|
「だって、そこ、ロケ先が北海道ですよ?」
この発言を聞くと同時にイスから立ち上がる
ゴルゴさん。
|
ゴルゴ
|
「何?北海道?向こうから、こっちに蟹とか
色々持って来るなら、分かるけども、向こうに届いた訳だ」
|
野仲
|
「ビックリしちゃった」
|
湯原
|
「それはビックリしたの。
でも、それは小悪魔と関係あるのかな?」
|
レッド
|
「で、それは、そのカメラマンさん
なんですか?」
微妙な頷きをする麻利絵ちゃん。
軽い冷やかしの声が入る。
|
レッド
|
「それはね、事務所にね誕生日プレゼントが
贈られてくるのなら、ファンの子から
結構、贈られてきますけども、カメラマンさん…」
|
野仲
|
「そうなんですよ。だってロケ先のホテルですよ」
|
川瀬
|
「調べあげたのかな?」
|
ゴルゴ
|
「それはね…」
|
レッド
|
「やっぱり、カメラマンさんて言うのは
ずっと覗いてるじゃないですか?
そのカメラごしの向こうに対して、
何か働きかけるんでしょうな」
|
湯原
|
「分かんなーい。
自分的には何で(小悪魔って)呼ばれてるのか」
|
ゴルゴ
|
「俺にも『コイツ、できるかもしれない』
と思わせてるね」
|
レッド
|
「そうですよ、勘違いさせキャラなんですよ。
僕もね、『湯原は何となく
俺の事好きなんじゃないかな』
と、勘違いさせられてるんですよ。ずっと」
|
湯原
|
「ちょっと待って…」
と、笑顔ながらも困る麻利絵ちゃん。
|
野仲
|
「そうなんですか?」
|
レッド
|
「何となく、視線がね」
|
川瀬
|
「視線が?」
|
レッド
|
「他の人は普通に見てんねんけど、
湯原はチラッ、チラッと見んのよ。
おい、『チラ見』って、どう言う事なんだ
みたいな」
|
川瀬
|
「それは、レッドさんの見過ぎです」
|
レッド
|
「違うんだ、俺は、ずっと皆を見てるじゃないか」
|
野仲
|
「焦っちゃった(笑)」
|
新妻
|
「焦ってる(笑)」
|
川瀬
|
「あんま、目合わないもんねぇ?」
|
新妻
|
「うん」
|
レッド
|
「いやいや、アバウトに見てるやないか」
|
川瀬
|
「ほら!」
|
レッド
|
「いやいや、アバウトに見てるから、
真っすぐしか…」
|
ゴルゴ
|
「レッド!」
と、不満気な声で呼びかけるゴルゴさん。
|
レッド
|
「何や」
|
ゴルゴ
|
「お前のコーナーか?」
と言われ、小さくなるレッドさん。
途端に沸くスタジオ。
|
野仲
|
「そうじゃない。
『ゴルゴさんに聞く』んじゃない」
|
ゴルゴ
|
「喋りすぎだ」
|
レッド
|
「すいません、ゴルゴ先生。じゃ、ゴルゴ先生、
意見の方、お願いします」
そう言われ、さっきまで緊張していた顔が
緩むゴルゴさん。そして一言。
|
ゴルゴ
|
「おう!レッドの言った通りだ」
|
野仲
|
「何だよ、それだけ…」
と笑顔ながらも少々期待外れの様子。
|
ゴルゴ
|
「(麻利絵ちゃんを指して)、お前はな、
キョンキョン(小泉今日子)以来の小悪魔だ!」
|
湯原
|
「ええーっ、すごーい」
と、これには驚いた様子。
|
レッド
|
「キョンキョン以来って言うと、
18年振りですよ、ある意味」
|
ゴルゴ
|
「キョンキョンは昔、小悪魔と呼ばれていた。
もう、皆がメロメロになった。
しかし、お前は皆じゃない。
皆と言っても、この番組の皆が
お前にメロメロになった。カメラマンさんが
被害に遭ったけども、それは魅力として、
そのまま行ってほしい。要は、ただ、カメラマンが
ちょっとHな事を考えて、そういう事したのかもしれない。」
|
湯原
|
「んー?(ちょっと考え込んで)
じゃあ、『小悪魔』って言葉は、決して悪い意味
じゃないって事?」
|
レッド
|
「これは逆に言えば、タレントとしてはOK
って事ですよね?」
|
ゴルゴ
|
「そうです」
|
レッド
|
「『この娘、良いな』と」
|
ゴルゴ
|
「『この娘、良いな』『会いたいな』
『喋りたいな』」
と言う言葉を聞いてて
恥ずかしくなったのか、噴き出す麻利絵ちゃん。
|
野仲
|
「良いな。見習わないと」
|
ゴルゴ
|
「『あの口欲しいぞ』」
|
レッド
|
「具体的に言いましたね」
|
ゴルゴ
|
「もっともっと、ドンドンドンドン
と思わせる、タイプなんですよ」
|
レッド
|
「『小悪魔』と思わせる人って、
どんなんなんやろうな?」
|
ゴルゴ
|
「で、どうして欲しいの?『小悪魔』を」
|
湯原
|
「えーっと、小悪魔じゃなくて、
なんかもっと違う呼び名で呼ばれる性格に
なりたいんですよ」
|
レッド
|
「逆に言えば、あれやで?
『悪魔』って呼ばれるよりは良いぜ?」
『ヤダー』と口々に言うリポーター陣。
|
レッド
|
「『小』が、付くだけ、まだ良いだろ」
|
ゴルゴ
|
「じゃ、『尻軽』で良いんでない?」
|
湯原
|
「ちょっと待ってよ〜」
と、さすがに不満の様子。
リポーター陣も口々に
『それは違いますよ〜』などと、援護射撃。
|
レッド
|
「じゃ、『小悪魔』か『尻軽』か
どっちが良い?」
|
湯原
|
「何で?意味全然違うじゃないですか!」
|
ゴルゴ
|
「一緒ですよ」
|
湯原
|
「一緒なの?」
|
ゴルゴ
|
「共通点は、ありますよ」
|
湯原
|
「本当ですか?」
|
レッド
|
「無理やり持ってきましたね」
|
ゴルゴ
|
「要は、『その気にさせる』。
『男好きする顔』とかね」
|
湯原
|
「ふうん」
頭に、まだちょっと【?マーク】
を出しながらも、相槌を打って聞く
麻利絵ちゃん。
|
野仲
|
「魅力的って事」
|
ゴルゴ
|
「ナンバーワン小悪魔になって欲しいですね」
|
川瀬
|
「逆に、ちょっと見習わなければいけませんね」
|
ゴルゴ
|
「そうですね。川瀬なんか特にね」
|
川瀬
|
「はい」
|
レッド
|
「川瀬は、そうですね」
|
ゴルゴ
|
「お前は、ちょっと雑だ」
|
川瀬
|
「バレました〜?」
|
ゴルゴ
|
「動きとかね」
|
レッド
|
「雑、雑」
|
ゴルゴ
|
「喋りとかね」
|
川瀬
|
「雑なんですよ〜。じゃ、ちょっと見習って、こう、
川瀬…」
|
レッド
|
「何でやろう?何で、川瀬、雑なんやろう?」
|
ゴルゴ
|
「お前ね、一番『親戚のお姉ちゃん』
って、感じするわ」
|
レッド
|
「魅力は、あるんやけど、何なんやろね?」
|
川瀬
|
「(魅力)無いんですよね〜」
|
レッド
|
「逆にね、周りの皆は、
湯原を見習って欲しい」
|
野仲
|
「見習おう」
|
レッド
|
「岸本、特にね」
|
岸本
|
「特にね。
でも、その小悪魔を悩んでるって言う所が
もう、小悪魔!」
|
レッド
|
「そうなんだよな!コイツの手なんだよ」
と、リポーター陣と一緒に、レッドさん
まで麻利絵ちゃんを指差す。
それが恥ずかしいらしく
|
湯原
|
「ちょっと待って!」
と、レッドさんの指を下げさせようと
前に出ていく麻利絵ちゃん。
『おお、出てった、出てった』
と、期待する声が挙がる。
|
湯原
|
「ちょっと待ってよ〜」
と、指差していたレッドさんの手を
振り払って下げさせると、
席に戻る麻利絵ちゃん。
それでも興奮収まらず、
|
湯原
|
「ちょっと待ってよ〜、すっごい誤解だもん。
本当に。すっごいさぁ、皆に悪いイメージ
あるじゃん。そしたら」
|
レッド
|
「良いじゃん。小悪魔なんだし」
|
新妻
|
「憎まれっ子、世に、はばかるって言うし」
|
ゴルゴ
|
「悪魔なんてさぁ、悪いイメージあんだから。
勘違いさせる方が良いんだよ!
勘違いさせて下さい」
|
湯原
|
「…はい」
|
レッド
|
「今回のまとめとしては、
小悪魔を引きずって下さい」
|
湯原
|
「はい」
|
レッド
|
「で、皆は見習って下さい」
皆で『はい!』と答えて終了。
|